昨年度の活動の一環として 地域にある文化財を見出し
「登録有形文化財」に登録するまでの実務を身に付ける講習会を実施いたしました。
場所は、富山県高岡市二塚1316 曹洞宗寺院「歓盛寺」
対象建造物は、同寺院境内にある山門です。
講師の先生をお迎えし、現地の山門を見ながら実測・スケッチを行い
近隣住民からの聞き取り調査を元に、所見(報告書)作成まで、全4回の講習会となりました。
講習会参加者の方々の大半は、登録有形文化財に関わる実務を行ったことがなく
貴重な文化財の保存と活用のための足掛かりとなる有意義な講習会でした。
今年度も引き続き山門の調査を行い、
登録有形文化財の登録に向けて講習会を続けていくことになりました。
講習会参加者の方から感想を頂きました^^

今回の講習会は、古い建築物を文化財として登録する方法を学びたく、受講することを決めました。
受講当初は、お寺の山門が登録対象と知り、住宅より小さいので簡単かと思っていました。
ですが、伝統建築について全く理解していない、名称がわからないことに
今の自分の実力を思い知らされました。名称の漢字すら読めないのです。
また、「軒の出」「軒高」が、今までの、通常の設計図に記載のものと違うことも学びました。
「お寺の山門」と、簡単に考えていた事を反省しました。
伝統建築物を造った大工さんの技術というのは凄いもので、
4回の講習会では学びとれないくらいのものでした。
また、登録文化財にする意義として、古いものを残していくだけではないことも学びました。
私は建築士としてできることは、伝統建築、建造物、古い建物のできた背景、
どのような価値があるのか、先人の職人の技を読み取り、
それを知らない方々へ伝えていくことも必要なことであるのではないかと、思いました。
4回という短い講習会でしたが、学んだ事が多く、
これを次の「ヘリテイジマネージャー」の活動でも活かしていきたいと思います。
安宅 恵