2017年02月04日

桂離宮の見学


1月の中旬ですが…念願の「桂離宮」に行って来ました。前々日までの大雪も止み快晴です。
朝早く出発したこともあり時間調整の為「湖東三山・西明寺」を見学の手始めとしました。
本堂や三重塔は鎌倉時代初期に建立され、国宝に指定されています。
釘を使わない純和様建築です。この寺は紅葉の美しさでも有名です。
西明寺 三重塔
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まだ時間的に余裕もあり「多賀大社」「石山寺」と廻りました。
「石山寺」は紫式部が「源氏物語」を書いたところと伝えられてもいます。
ここの多宝塔は硅灰石と共に石山寺を表す写真によく登場する建築物です。
下層が方形、上層が円形の平面に裳階(もこし)をつけ、宝形造の屋根をのせた二重の塔。
上下左右の広がりが極めて美しく洗練され、均斉のよくとれた建築です。
これも国宝に指定されています。
石山寺 二重の塔
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午後からは「桂離宮」の見学です。宮家の別荘とでも言いましょうか。
火災に遭わず約400年ほとんど完全に創建当時の姿を伝えています。
この時の見学グループは13名です。(少人数でラッキー)
見学は普通予約となりますが、当日受付もありました。古書院や新御殿の内部は非公開ですが、
案内員と苑内を1時間ほど掛けて廻ります。(最後尾には私服の皇宮警察官もつきますが…)
なにせ「桂離宮の庭」は京都随一です。
池、水辺、切石、飛石、草花等…自然の美は感嘆尽きることをしらないと言われています。
まず御幸門から外腰掛(待合)を見学します。繊細なつくりです。
桂離宮 外腰掛
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苑内にはいくつかの小亭(茶室)があります。春夏秋冬で使い分けています。
松琴亭は修理中で見れませんでした。笑意軒は田舎屋風の茶室です。
三室は襖で仕切られていますが、天井は一枚で室内を広く見せています。舟着場もあります。
(参考までに…池の水は桂川の川水ではなく井水を使っているとの事)
桂離宮 笑意軒
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見学コースの途中に新御殿の前を通ります。雁行型は何度かの増築のあとであり
高床は桂川の氾濫に対応したものです。(実際に何度か氾濫にあっています)
ブルーノ・タウトが簡素で機能的な美しさを絶賛しています。一切は清純であり限りなく美しい…とも。
桂離宮 新御殿
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有名な月見台です。その前には「月」を写す池が広がり苑内の主要な景観も一望出来ます。
納涼的にも最高の空間です。
「月」を見る装置が「桂離宮」であり、日常から離れさせられる空間が「桂離宮」とも思います。
往時の「月見」が偲ばれ、出来ればタイムスリップしたいものです。
桂離宮 古書院前の月見台
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見学の最後(当時の来宅者は見学者とは逆回りで御幸道からまずここを通る)に…
両側の生垣に先には池があるのですが…「松」が視線を遮っています。「衝立の松」と呼ばれてます。
お楽しみはもう少し後で…でしょうか?じらし方も上手です。
桂離宮 衝立の松
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好みですが、一度は訪れるべきと思います。その価値は充分あります。


by 河合

posted by 富山れきけん委員 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム>町並れきけん散歩(県/国外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

本年もよろしくお願いいたします



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歴史的建造物委員会の新しい年が始まりました。
・・・と、同じフレーズで始まった昨年のブログが一つ手前の記事(^_^;)
かな〜りご無沙汰しており、昨年は一度きりの投稿になってしまいました。
今年の抱負。まずは更新数を増やさねば!と小さくこぶしを握り締めたブログ管理主です。
ブログの更新は怠ってしまいましたが、歴史的建造物委員会は昨年も活動の輪を広げていました。

H26年度(第1期)、H27年度(第2期)と二年連続で富山県ヘリテージマネージャー(以下HM)育成講習会を開催しました。
今年度は一旦お休みし、1期生、2期生を対象としたアドバンス講習会(ステップアップ講習会)を開催しています。

HMの大切な活動の一つとして、まだ地域に眠る登録有形文化財となるような建物を発見・調査し、作成した資料を基に登録し
後世に残すべく保存活用に携わっていくという事です。委員会ではその為の一歩となるような活動を引き続き行っています。

南砺市城端町 まちなみ見学会

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旧桂湯(現在はハンドメイド小物を扱う雑貨屋さんです)
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曹洞宗寺院「歓盛寺」高岡市二塚1316  
H26年度に調査した歓盛寺の山門ですが、今年度は本格的に登録有形文化財に向け、山門の他、本堂の調査も始めました。

破風板の絵様を拓本にとっています。
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講師の方に柱の痕跡の見つけ方を解説してもらいます。
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近隣に住む方々からの聴き取り調査風景
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地域に残る建物で、実際に登録申請を行う事を第一歩にして
今後も富山県の歴史的な建物や町並みの保存活用に貢献していきたいと思っています。


posted by 富山れきけん委員 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動>活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月14日

本年もよろしくお願いいたします


歴史的建造物委員会の新しい年が始まりました。
なかなか更新できないブログ管理者でありますが(^^;今年もよろしくお願いいたします。

昨年9月26日より富山県ヘリテージマネージャー育成講習会が行われています。
第2期の参加者人数は去年に比べて少ないですが、アットホームな雰囲気で講習会にのぞんでいます。

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講義の内容は、期間を通して幅広いものになっています。
ヘリテージマネージャーとはどのような人の事か?という内容から、伝統的な工法の原材料を見たり
講師の先生方から今では使われなくなった貴重な道具の公開までしていただいてます。

他県でも新しくヘリテージマネージャー育成講習会が行われ、
全国的に歴史的建造物の保存活用に関する活動が盛んになっています。
地域に残る歴史的建造物をどう活かすか、
活動の中心となるあろうヘリテージマネージャーの役割を学ぶ大変貴重な講習会です。

あと残り2か月ほどの講習会ですが、参加者の皆様最後まで頑張りましょう^^


posted by 富山れきけん委員 at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | おしらせ>ごあいさつ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月11日

富山県ヘリテージマネージャー育成講習会(第2期) 募集案内


今年度も富山県では、へリテージマネージャー講習会を開催いたします!

歴史と記憶を刻む建物は、再び輝く時を待っています。
息を吹き返した建物は、きっと地域の財産になるでしょう^^
そのお手伝いを私達と一緒にしませんか?

詳しい募集要項が書かれたチラシが出来上がりました^^
※どなたでも受講できます。ただしヘリテージマネージャーとして認定されるのは、建築士のみです。










posted by 富山れきけん委員 at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動>企画・講習会のご案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月26日

文化財登録実務講習会


昨年度の活動の一環として 地域にある文化財を見出し
登録有形文化財」に登録するまでの実務を身に付ける講習会を実施いたしました。
場所は、富山県高岡市二塚1316  曹洞宗寺院「歓盛寺
対象建造物は、同寺院境内にある山門です。
講師の先生をお迎えし、現地の山門を見ながら実測・スケッチを行い
近隣住民からの聞き取り調査を元に、所見(報告書)作成まで、全4回の講習会となりました。

講習会参加者の方々の大半は、登録有形文化財に関わる実務を行ったことがなく
貴重な文化財の保存と活用のための足掛かりとなる有意義な講習会でした。
今年度も引き続き山門の調査を行い、
登録有形文化財の登録に向けて講習会を続けていくことになりました。


講習会参加者の方から感想を頂きました^^

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今回の講習会は、古い建築物を文化財として登録する方法を学びたく、受講することを決めました。
受講当初は、お寺の山門が登録対象と知り、住宅より小さいので簡単かと思っていました。
ですが、伝統建築について全く理解していない、名称がわからないことに
今の自分の実力を思い知らされました。名称の漢字すら読めないのです。
また、「軒の出」「軒高」が、今までの、通常の設計図に記載のものと違うことも学びました。
「お寺の山門」と、簡単に考えていた事を反省しました。
伝統建築物を造った大工さんの技術というのは凄いもので、
4回の講習会では学びとれないくらいのものでした。
また、登録文化財にする意義として、古いものを残していくだけではないことも学びました。
私は建築士としてできることは、伝統建築、建造物、古い建物のできた背景、
どのような価値があるのか、先人の職人の技を読み取り、
それを知らない方々へ伝えていくことも必要なことであるのではないかと、思いました。
4回という短い講習会でしたが、学んだ事が多く、
これを次の「ヘリテイジマネージャー」の活動でも活かしていきたいと思います。
安宅 恵


posted by 富山れきけん委員 at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動>活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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